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海外駐在あるある その②

かこか
かこか

こんにちは。かこかと申します。

前回に続いて、私の経験に基づいた海外駐在あるあるを紹介したいと思います。

もし良かったら、前編も読んでみてください。

海外駐在あるある その① 製造業の国内空洞化が叫ばれて久しいですが、日本より大きな市場が海外にある以上はそれも仕方がないのかなと私は思っています。 ...

 

もくじ
  1. 技術的インプットが少ない
  2. 普段付き合えない人と付き合える
  3. 当たり前だけど、部下を信じた者が勝つ

 

技術的インプットが少ない

これは本当に国や環境によると思いますが、私がいたような東南アジアの国の場合、技術的なインプットはほぼないと言えます。

というのも、現地にものづくりを支える企業がほとんどないためです。これについては他の記事に詳しく書いているのでそちらを読んでいただけると嬉しいです。

自分で自分のことを決められる国=先進国 今日は私がインドネシアにいた時に感じていたことを書きたいと思います。 それは、先進国とはなにか、ということです。 ...

何度も同じことを言って恐縮ですが、海外駐在は守備範囲が広く、毎日のように問題が発生します。たとえば設備が故障してしまった場合で言うと、まず交換部品が容易に手に入らなかったりします。

私の経験で言うと、ネジであっても少しでも特殊な物を使っているとそれだけで手に入らずに日本などから輸入する必要があったりします。そして、輸入するにしても輸出入の手続きが必要になります。これがまた地味に手間がかかるのと時間がかかるんです。

いくら現地に輸出入の専門スタッフがいると言っても、日本語が話せなければどうしても自分が日本のメーカーとの間に入って仲介せざるを得なかったりします。手続きが面倒というだけならまだしも、物を入手するまでに時間がかかります。

設備が壊れた場合、一刻も早く修復する必要がありますが、平気で1週間単位、時には月単位で時間がかかったりもします。メーカーさんに在庫がない場合は他に予備品を保管しているユーザーさんがいないかと聞いて回ったりもします。

また、運良く故障した部品の予備があった場合でも、それを交換できるスタッフがいないというのもよくあることです。メンテナンススタッフは日本語が話せない場合が多いので、その場合は設備メンテナンスの専門家でもない自分がメーカーのスタッフさんとの間に入ってやり取りをする必要があったりします。

これに似たようなトラブルが毎日のように発生するので、いつもバタバタとしています。それゆえに、自分がとても多くの仕事をこなしているつもりになってしまいます。

もちろん、これらの仕事も必要であることは間違いないですが、客観的に見て質の高い仕事ができているかというと、そうではないことはおわかりいただけると思います。

このようなバタバタが好きな人もいるので、そういう人には向いているかもしれませんが、特に技術的な積み上げをしたいと思っている人であれば海外駐在はお勧めしません(欧米などのものづくり技術が進んでいる国であればどうなんだろう?と個人的には興味があります)

 

普段付き合えない人と付き合える

これは家族帯同で駐在した場合により強く感じられることだと思いますが、私の場合、日本で仕事をしている限り製造業以外の業界の人と接することはほとんどありませんでした。同じ製造業の中でも同じ業界、同じ分野の人とばかり付き合うので、他の業界のことをまったく知りませんでした。

海外に駐在すると、日本人同士でコミュニティを作ります。県人会であったり、出身大学の集まりであったり、阪神タイガースの同好会を作ったりします。こういう集まりに参加すると、違う業界、業種の人たちと接することができるようになります。

また、家族がいると子供同士のつながりが出てくるので、この傾向はより強くなります。私はあまり社交的な性格ではないので、ゴルフも一度も行きませんでしたし、県人会などにも一切参加しませんでしたが、子供の友達のつながりから多くの人と知り合いになることができました。

私にとってはこれこそが海外駐在の醍醐味だと思っています。

当たり前だけど、部下を信じた者が勝つ

駐在員の中には部下である現地スタッフをまったく信用していない人がいます。確かに、言ったことしかやらなかったり言い訳ばかりしたりと、一般的な日本人の感覚だとさぼっているようにしか見えない場合もあります。スタッフに任せたとしても、現地のインフラだけではどうしようもできず、結局自分のところに返ってきてしまうこともよくあるので、イライラが募りやすいというのもあります。

そういう環境にあれば、どうしても部下を信じることができず、彼らを侮辱したり軽視したりしてしまう、というのはよくあることです。

ですが、仕事をしてもらうのは当然、彼ら現地スタッフです。彼らを信用し、活躍してもらうように仕向けていく必要があります。ただし、これは口で言うのは簡単ですが、途方もなく難しいことだというのは私も感じています。文化や国民性、仕事観はもちろん、特に宗教に基づいた習慣がある国では、それらを変えることはほぼ不可能と言ってもいいでしょう。日本人に「もっと積極的に発言しなさい」とか、「物事をはっきりと言い切りなさい」と指示をしても簡単には治らないことを想像してもらえれば理解できると思います。

でも、でも、でも。

部下を信じることができる人が彼らからの信頼を得られ、結果的にうまく物事が進むと思います。私自信が彼らを100%信じられていたかというと正直、自信はありません。ですが、彼らとコミュニケーションをとる機会を多く設定したり、自分の考えを発信したりするようには努めていました。

日本に帰ってきて数年経ちましたが、今でもたまに仕事の相談をしてきたりする現地スタッフもいるので、それなりには信頼してもらっていたのかなと思っています。

 

以上のように、海外駐在は日本で仕事をしていてはできないような経験を得ることができます。それが良い経験であっても悪い経験であったとしても、人生を彩るイベントになることは間違いないでしょう。

 

かこか
かこか

最後に自己紹介をさせてください。
私はこんな人です。

  • 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
  • 金属切削の製造技術歴 約20年
  • 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
  • インドネシア駐在経験あり。インドネシア語検定C級を持ってます
  • Twitter、noteもやってます https://twitter.com/Shibakin_2019
  • noteで高周波焼入れに関する記事を書いています
高周波焼入れについてのノウハウをnoteで公開します Twitterでも配信させてもらっていますが、高周波焼入れについての記事をnoteで書かせてもらっています。 すでに大部分...
自己紹介 はじめまして ご訪問いただきましてありがとうございます。 自己紹介させていただきます。 出...

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