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私のインドネシア語学習法を紹介します

私は4年間、インドネシアに駐在していた経験があります。

たぶん皆さんはインドネシアについて何をご存じでしょうか?

コーヒー?

コモドドラゴン?

バリ島?

まあ、知っていてもそれくらいですよね。

まったく知らない人にとっては今でもジャングルの中で生活している国のようなイメージかもしれませんが、
以前の記事でも紹介したように、実はめっちゃ都会です。

自分で自分のことを決められる国=先進国 今日は私がインドネシアにいた時に感じていたことを書きたいと思います。 それは、先進国とはなにか、ということです。 ...

インドネシアは中国、インド、アメリカについで世界第4位の2.4億人の人口を誇ります。
街はどこに行っても人でごった返している感じで、
おしゃれなお店もたくさんあります。
いたるところで建設ラッシュが見られ、とても活気を感じる街です。

今回は私がインドネシア語をどのように勉強したかについて
紹介させていただきたいと思います。

  1. インドネシア語ってどんな言語?
  2. 私が使っていた教材
  3. でも、やっぱり語学学習で一番大事なのは『とにかく話す』こと

インドネシア語ってどんな言語?

どこの国に駐在される方も現地語をメインで使われる方は少なく、
英語を使われる方が多いように思いますが、
インドネシアだけは現地語を話される駐在員が多いと思います。

それはインドネシア語が簡単だからだと言われます。

インドネシア語に時制はありません。
「昨日」などの時期を表す言葉を入れればそれでOK。
過去形などの格変化もありません。

したがって、基本的には単語を並べていけば文章になるようなイメージですね。

ただ、格変化はありませんが、語幹と呼ばれる部分の前後にいろんな言葉がつくことで
自動詞と他動詞が変わったり、名詞と形容詞が変わったりします。

例えばこんな感じです。

語幹:main 遊び

動詞:bermain 遊ぶ

名詞:pemain 選手

名詞:mainan おもちゃ(遊ぶ物)

語幹の頭にberを付ければ動詞になりますし(接頭語)、
peを頭に付ければ「~する人」という意味になり、
遊ぶ人=選手という感じですね。
(英語でいうところのPlayする人、という意味合いであり、
決して遊び人という意味ではありません🤣)

こういう感じで語幹を覚え、何をどういう風にくっつければどのように意味合いが変わるか、
というルールさえわかってしまえば、非常に応用が利きやすい言語です。

聞いたところによると、誰が調べたか知りませんが、
「世界一簡単な言語」
と呼ばれているそうな。

さすがにそこまで簡単ではないとは思いますが、
そう言われても納得できる感じではありましたね。

あとは、アルファベットを使っているということも馴染みやすい理由の一つですね。

東南アジアの国で言うと、タイ語なんてまったく読めない文字を使っていますし、
ベトナム語なんかも読めそうで読めません。

その点、アルファベットを使っているインドネシア語は
そのままローマ字読みすれば通じるので(多少発音のルールはありますが)
まったく文字が読めないということもありません。

ちなみにインドネシアでは割と近い過去まで民族単位で言語が違ったようで、
とても多くの言葉が使われていたそうです。
ですが、国を統一する際に共通の言語が必要だということで
ある部族が使っていた言語を国語として設定したそうです。

また、外来語をそのままインドネシア語風にした言葉も多かったです。
たとえば
presisi 精密(英語のprecision)
konfirmasi 確認(comfirmation)
などですね。

日本においても同じことはあって、
明治時代にそれまで日本語に概念がなかった英語を日本語にしたそうです。

たとえば
Audience 聴衆
などです。

日本語には漢字という便利な文字がありますので、
意味が日本人でも一目でわかるように漢字を充てることができました。
ですが、インドネシア語ではこのようにほぼ丸パクりするしかなかったんでしょうね。

余談ですが、向こうにいた通訳さんに
「この日本語はインドネシア語でなんて言うの?」
と聞いても、
「そんな意味のインドネシア語はない」
という回答をされることが何度もありました。

その通訳さんのレベルの問題なのかもしれませんが、
外来語をそのまま多用していることから考えても、
たぶんインドネシア語自体の語彙が少ないんだろうなというのは感じました。

そこがインドネシアの国力の限界でもあると私は思っているのですが、
そこら辺はまた別の機会に語ってみたいと思います。

私が使っていた教材

自慢のようでちょっと恥ずかしいですが、
私は現地スタッフや通訳さんからも
「インドネシア語を覚えるのが早い。
今までの駐在員の中でも一番だ」
と何度か言われたことがあります。

先述の通り、現地の駐在員もインドネシア語を話す方は割と多かったですが、
ある程度のところまで来ると生活も仕事も困らなくなってくるので、
途中で成長が止まってしまう人が多かったです。

また、家庭教師なんかをつけて勉強する人もいましたが、
めんどくさいというのもあってたいていの人は長続きしませんでしたね。
ちなみに私は1年間、家庭教師についてもらいましたが、
私もある程度のところで成長が鈍化してしまったな、というのは認識しています。

また、独学と言っても体系立てて学ぶことをしていない人が多く、
まさに単語を並べるだけで文法はほぼ無視している人もけっこういました。

私はせっかくだからちゃんと勉強したいなと思っていましたし、
スタッフとできるだけきちんと意思の疎通を図りたいと思っていたので、
割と勉強はした方だと思います。

ちなみに、私はインドネシア語検定のC級を持っています。
AA級、A級、B級、C級、D級がある日本の語学検定です
(インドネシア現地でも受験できました)。

なーんだ、C級だったら下から数えた方が早いじゃないか、
と思われるかもしれませんが、けっこうこのC級を取るのも難しいんです。
B級も持っている方はほとんどいませんでしたし、
B級を取る方は常に辞書を持ち歩かれているような勉強熱心な人でした。

それを考えるとA級とかAA級に合格する人ってどんな人やねん、
と思います。
もしA級とかを持っている人に会うことがあったら、
その人はスーパーな人だと思って間違いありませんよ😲

私もB級に挑戦しましたが、少し点が足りずに不合格でした。
もっと勉強してリベンジするつもりだったのですが、
その頃に帰任が決まってしまい、モチベーションがなくなってしまいました。
今考えても惜しいことをしたと思います。

そんな私がインドネシア語の勉強に使った教材などを紹介したいと思います。

一つ目はインドネシア語のテキストですね。

やはり、言語を勉強しようと思ったらテキストは必須です。
私が使ったテキストを紹介します。


 

この本には基礎的な文法が書いてあるので、非常に重宝しました。
これさえ覚えておけばほぼ文法は大丈夫だと思います。
それから単語を覚えるならこれ。
基礎的な単語を覚えるならこれがオススメです。


数字とか曜日、季節とかを一つ一つ調べるのは面倒ですが、
そういう生活に必要な言葉が絵と一緒にまとめて書いてあるので
非常に便利な一冊です。
ただの旅行ガイド本と侮るなかれ、です。
私は単語だけの本を買って勉強することはしませんでした。
自分がスタッフとの会話の中で知りたいと思った単語や、こういうことを話したい、
と思った単語を調べてメモをし、自分で単語帳のような物を作っていました。単語帳だと、普段使わないような単語まで載っていますが、
自分が必要だったから調べた単語なので、間違いなく使用頻度が高いです。
このやり方はおすすめです(単語だけでなく、構文もこうやって覚えました)。
それからこの本もよく使いました。


語学を勉強している時に一度は感じたことがあると思いますが、
単語帳や辞書に書かれている言葉の意味と、文章や会話にした時の意味が異なることがあるんですね。

あと、単語だけではなく、前後の言葉とセットにした言い回しを覚えないと
相手に伝わらない(文法も重要ですから)と思ったので、
できるだけこの本を丸暗記して、単語の部分だけをその時の状況に合わせて変える、
というようにしていました。

このやり方はインドネシア語だけではなく、英語の勉強の時にも活用しています。

次に辞書です。
やはりどうしても単語を調べたくなるので辞書は必須です。

ただ、私は日本では辞書を買わず、インドネシア人が日本語を勉強する時に使う辞書
現地のスタッフに頼んで買ってもらいました。

それも立派なやつではなく、ポケット辞書のようなやつです。
日本語を勉強しようとしていた現地スタッフが持っていたのを見せてもらったのですが、
それが思ったより使いやすそうだったので、私の分も買ってもらいました。

この辞書は本当に使いやすかったです。

情報量は多くはないのですが、最低限の言葉はもちろん載っているし、
量が多くない分だけすごくシンプルだったんですね。
立派な辞書だと情報量が多すぎて、
で、結局どういう意味なの?どれが正しいの?
みたいになることってあるじゃないですか。

この辞書はそういうことがありませんでした。
なんというか、書いてあることがそのまま使えるようなイメージです。
その分、本当に言いたい言葉じゃなかったりすることもありましたが、
その不便さよりも便利さの方が完全に上回りました。
大きくもないので持ち運びにも便利です。

この辞書、写真も載せて紹介したかったのですが、
残念ながら日本に帰任した後、処分してしまったようです。
もったいないことをしたなぁ・・・

A6くらいの小さいピンク色の辞書です。

あと、辞書と言えば
尾崎辞書
もおすすめです。

いや、おすすめじゃなくて超おすすめです。

これ、普通の紙の辞書じゃなくてDVDで購入するんですが、
その辞書データを丸ごとをスマホに入れられるんです。

インドネシア語の無料学習アプリはいくつかあるのですが、
ただの単語帳みたいな物が多く、用例が少なすぎて私には使いにくかったのですが、
この尾崎辞書は用例がめちゃくちゃ多い!!

一つの単語でもいろんなニュアンスの使われ方がありますが、
たくさんの用例の中から自分が一番言いたいニュアンスに近い物を選択できるんです。

そして何より、スマホに入れておけるのが良かった!!
いつでもどこでも見れますし、検索も簡単です。

この辞書には本当に助けてもらいましたので、
インドネシア語のレベルを上げたいと本気で思っている人には超おすすめします。

ただ、純粋に単語だけを調べようとすると逆に情報量が多すぎる感じがありましたので、
先述のピンクの辞書と合わせて使えば怖い物なしだと思います。

ただこの辞書、普通にお店とかでは売ってないんですよね。
通販なんですよ。

この辞書は尾崎さんという方が個人で作られている辞書なので、
この尾崎さんにメールを送って購入を希望する形で販売しています。

価格は7000円です。

正直、私も最初は怪しいなぁ・・・と思ったのですが、
まあ7000円くらいならだまされてもいいかなと思って購入しました。
が、もちろん騙されていませんし、7000円以上の価値は確実にあったと思います。

DVDが一枚送られてくるだけなのでなんともあっけない感じだと思いますが、
買っておいて損は絶対にないと思います。
ってか、これさえあれば大きくてかさばって検索しにくい紙の辞書は買わなくてもいいです。

私はインドネシアにいる時に購入しましたので、
日本にいても購入できるかどうかは不明です、ごめんなさい🙇

紹介サイトのリンクを貼っておきますね。
ここに尾崎さんの連絡先も書かれています。

https://www.jakartashimbun.com/free/detail/40275.html

それと最後に面白いサイトをご紹介しておきます。
ジャパネシアというインドネシア語学習サイトです。

https://japanesia.net/

インドネシア語を学習されている方が運営しているので、親切に解説してくれています。
用例なども豊富に取り上げてくれていますし、
教科書で難しく書かれている内容もかみ砕いて優しく説明してくれています。
コラムもありますので、読み物としても普通に楽しめるサイトです。

ただ、インドネシアに慣れてくるとちょっと物足りなさを感じることもありましたが、
インドネシア語学習を始めたばかりの方にはとても良いと思います。

私はこれ以外にもいろいろな教科書に手を出しましたが、
ここで書いた本や辞書から得られた情報量が一番多かったですし、
使い勝手を考えてもこれらがあれば十分だと思います。

繰り返しますが、1、2冊の本を丸暗記するくらいの気持ちで取り組んだ方が良いと思います。
実は私も最初の頃はいろんな教科書に手を出しましたが、
結局そのほとんどを使いませんでした。

インドネシア語の勉強をする人は英語に比べて圧倒的に少ないです。
教科書もそれほど豊富にあるわけではありません。
なので余計に多くには手を出さず、1つの本をじっくり覚えるやり方をお勧めしますね。

でも、やっぱり語学学習で一番大事なのは『とにかく話す』こと

このようにいろんな教材をうまく使って勉強した結果、
インドネシア語検定C級にも受かりましたし、
スタッフに褒めてもらえるような速度で習得することができました。

ですが、やはり語学を勉強するうえで一番大切なことは
『たくさん話してたくさん失敗を繰り返す』
ことですね。

あまりにありきたり過ぎる結論ですが、これはもう、動かしようがない普遍的な真実です。

私は仕事でインドネシア語を使わないといけないという必要性がありました。
だから強制的にいっぱい使わないといけなかったです。
ですから、インドネシア語を勉強する目的は明確でした。

また、上司という立場だったので、スタッフも私の失敗に対して寛容でした。
通訳さんも身近にいましたし、日本語を話せるスタッフもいたので
先生もいっぱいいました。
彼らはいつも親切に私にいろんなことを教えてくれました。

立派なコーチがたくさんいて、練習試合の機会(自主的な勉強)、
そして本番の試合(仕事で使う)の機会もたくさんありましたので
勉強をするには最高の環境であったと思います。

さきほども書きましたが、このような最高の場所にいたにも関わらず、
ある程度のところで満足してしまってそれ以上の勉強をしなくなってしまったというのは
非常にもったいないことをしたと今でも後悔しています。
もっと真剣にB級を取得するための勉強をしておけばよかったと思います。

語学を勉強するには現地に行って、自分をこのような環境に置くことがもっとも良いことだと思います。
ですが、せっかくのすごいチャンスが目の前にあるのに、全然勉強をしない人もいました。
そういう人は長い間インドネシアにいても、片言の言葉しか話せませんでしたね。
どうせ日本にいつかは帰るんだから、とか、スタッフが日本語を話してくれるから、
通訳さんに頼めばいいから、という理由でやらなかったんだとは思いますが、
そういう人はやはり現地のスタッフからはあまり信頼されていませんでした。

そういう人は日本のやり方や考え方を金科玉条のように掲げるだけで、
あまり現地の人の考え方や習慣に配慮していなかったように思います。
口では配慮しているように言っていましたが、
「インドネシアというのはこういうものだ」
という上っ面だけの思い込みだったと思います。

言葉というのはその国のことを知るうえで欠かせない重要なアイテムです。
言葉を使って意思の疎通を図るわけですから、
言葉によって国民性が作られると言っても過言ではありません。
そこら辺についてはまた別の記事で話をしたいと思います。

みなさんがインドネシア語を勉強する機会はほとんどないと思いますが、
どんな言語を勉強するにしても共通のことをここには書かせていただきました。

もしインドネシア語を勉強する上で困ったことがありましたら、いつでも相談に乗りますので、
問い合わせフォームからお問い合わせください。

Semangat belajar bahasa Indonesia ya!!

(インドネシア語の勉強、頑張ってね!!の意味です)