仕事

口を出さないで! マイクロマネジメントを考える

サラリーマンであれば一度は悩む上司問題。

私も多分に漏れず、悩んだことがあります。

入社以来、今まで上司は7人いたかな。
若い頃は比較的上司に恵まれてたと思っていますが、
ここ最近の上司は2連チャンで相性の悪い人に当たってしまいました
(ちなみに今の上司は良い人です)。

この2人に共通していたことは何かというと、部下の仕事に口出しし過ぎ、
いわゆるマイクロマネジメントというやつです。

マイクロマネジメントをすべきでない理由はいろんなところで語られていますが、
私なりに感じたことを書いてみようと思います。

  1. 上司Aの場合
  2. 上司Bの場合
  3. なぜマイクロマネジメントがダメなのか
  4. 働きやすかった上司はこんな人

上司Aの場合

まずは上司Aさんとの出来事を紹介したいと思います。

まず、Aさんはとても頭の良い人です。
知識量も豊富ですし、記憶力も良い。
そして何より話をするのがとても上手です。

話し方も論理的で本当にキレッキレな人です。
そういうところは本当にすごいなあと思える人なんですね。

ただ、自分が思ったように部下が行動してくれないとイライラを隠せなくなる、
というところがありました。
口では
「何かあったら口出ししてくれてもいいから」
とは言うのですが、いざ口出しをしようものならそれが正しくない理由を並べて
押さえつけてくるんです。
またそれを論理的に話してくるのでこちらも言い返せないんですけどね🤣

ただ、Aさんが言っていることは間違ってはないんだけど、
ちょっと違うんだよなぁ、ということがよくありました。
修正が必要なほどは間違ってないから言い返せないんだけど、
全面的に賛同できるかというとそれも違う。

この人と話をしているといつもそういうモヤモヤが溜まるような人でした。

それと、自分がコントロールできていないことを嫌う、という性質を持っていました。
さっきの反論を許さないところもそうでしたが、
たとえば会議中に人の発言を遮って話をしだす人っていると思うんですが、
そういう人がいたらすごい勢いで
「今俺が話してるから遮らないで!!」
と怒る人でした。

まあ確かに途中で話を遮るのはルール違反だと思いますし、
遮られるのも気分が悪いものですが、
そこまで言わなくてもいいんじゃない?というくらいの剣幕で注意する人でした。

他にも、ちょっとAさんが的外れなことや情報が不足しているような発言をしたので、
私がAさんを補足するような発言をしたことが何度かありました。
するとAさんは私の発言が終わるやいなや、いろんな方面から私の発言をつぶしにかかり、
自分の発言が正しかったということを主張するということも何度かありました。

とにかく、自分が支配していないと気持ちが悪いんだろうな、
ということを事あるごとに感じました。

そういう性格もあるのでしょうけど、私の部下にまで口出しをすることが
しょっちゅうありました。

一応職制上はAさんは私の上司ですから、私の部下に口を出してもいいのかもしれません。
ですが、私を飛ばして私の部下に口出しをしたり、報告を求めたりするんですね。

そういうことをされると当然私も気分が悪いですし、
部下にとっても上司が2人もいるような感じになってしまうので、
戸惑わせてしまうことになります。

また、私を飛ばされると、部下たちが何をやっているのか、
物事がどのように進んでいるのかを私が把握できなくなるんですね。
指示をしたことも報告を求めたことも私には言ってくれないので、
そうなることは当たり前です。

他にもこんなことがありました。
長期の海外出張に出かけた時のことです。

当然のことながら、海外出張だからと言って周囲が気にかけてくれることはありません。
どんどん私のところにメールが送られてきて、進捗を求められます。

もちろん私はそのことを理解していましたが、
出張に行かないわけにもいきませんでしたし、何より現地でもメールは見れますから、
メールを見てから対応することは十分に可能であると思っていました。

そういうこともあって、私の部下や関連する部署に人たちに事前に話をして、
こういうことがあったら私に連絡をしてくれ、
ということを伝えてから出張に行きました。

ところが。

メールのCcに入っていたAさんに情報が入ると、
Aさんが急に私の代わりにメールの返信をするわ、
部下にああしろこうしろと指示を出すわで勝手に動き出したんですね。

出張中で頻繁にメールが見れなかった私ですが、
後でそのようなメールを見てびっくり。
私がこれまで慎重に進めていた案件をまるで全部把握しているかのように
私の指示にああしろこうしろと指示を出していました。

緊急性を要する内容であればもちろん仕方がありません。
ですが、どう考えても緊急を要する内容ではありませんでした。
一言だけでも事前に話をしてくれればよかったのに。
「こういう連絡が来ているけど俺の方でやっておこうか?」
と言ってくれればよかったのに、そんな配慮があるわけありません。

私はメールで遠回しに、
「出張中でも私の方でやれますから、任せてもらっていいですよ」
ということを伝えたのですが、伝わっていなかったようです。
私が出張中、ずっとこんな感じで指示を出されました。

出張中ほどではないとはいえ、出張から帰ってもこのようなことが続いたので、
我慢できなくなった私はAさんに
「私がやっている仕事に対して口を出さないでもらいたい。
足りないことがあれば言ってくれればいいけど、
私も私のやり方で仕事を進めているのだから」
ということを訴えました。

ですが、その時のAさんの返事は
「やれる人がやればいいんじゃないの」
というものでした。

なんというか、決して間違っているとは言えないと思いますが、
視点がずれ過ぎていて何も言えなくなってしまいました。

上司Bの場合

Aさんもマイクロマネジメントな上司でしたが、
Bさんも少し違う感じのマイクロマネジメンタリアン(私の造語です)でした。

この人は私が今までついてきた上司の中で最低の上司でした。

こちらが相談しても全然寄り添ってくれることがない。
言ってることがコロコロ変わるので、会話を修正するのも疲れてしまい、
もう何も言いたくない、話したくない、と思ってしまうような人でしたね。

たとえば、これまでも何度か書かせてもらっていますが、
課長くらいの中間管理職なんて権限らしい権限はほとんどないんですね。

人事権もないに等しいし、予算策定する権利もほとんどない。
言われた通りの人と予算でやりくりするしかないんです。
そして、Bさんもそのことは当然わかっているはずです。
予算配分を決めてるのはBさんなんですから。

私がいた部署は大変忙しい部署で、残業が社内でもトップクラスに多い部署でした。
年齢構成もいびつであり、先輩が後輩に教えるというような知の継承が
なかなか難しい状況でもあり、それによってうまく組織の底上げができず、
私はずっと苦しんでいました。

そこでBさんに相談をしたんですね。
こういう状況だから人が欲しい、と。

そうしたら、人をどこかから取ってこい、というんですね。
でも、社内で人を出してくれることなんてまずない。
そうなると派遣社員を雇うしか現実的な手段はありません。

ですが、予算だってカツカツでやってるのだからそこにかけるお金はありません。
Bさんだってそのことを知っているはずですから、
人を取ってこいと言うからには予算をなんとか工面してくれるのかと期待するじゃないですか。

でも、予算がないからなんとかしてほしいという私のお願いに対するBさんの回答は
「予算はお前がやり繰りするしかない」
というだけ。

そればかりか、
「それができないならマネージャーなんて要らない」
という、暴言ともいえるセリフを私につき付けました。

お金がないことはわかってますよね?
どうにもやり繰りできないから相談したんですが・・・
と言っても、
「お前の発言はナイナイばかりでおもちゃを欲しがる子供みたいだ」
といってはねつけるような人でした。

私の言い方がまずかったのかもしれませんが、
抜け道がなくて苦しんでいる私のことを慮る態度はゼロでしたね。

さらにBさんは大の機械加工マニアでした。

機械加工というのは鉄などの金属を専用の設備を使って削り、
必要な形に変えていく工法のことを言います。

Bさんは機械加工の分野でこれまでずっと仕事をしてきたので、
この分野のことが大好き。
何事も口を出さずにはいられない様子でした。

自分が得意な分野に口を出したい気持ちは理解できるのですが、
地位相応の粒度にしてもらわないと下が困ります。

さらに、このBさんも私の部下に直接指示をする人でした。
大好きな機械加工の話を直接部下に話をするんです。

そこまでならまだ目を瞑ることもできるのですが、
Bさんの指示がこれから自分たちがやろうとしている方向と真逆のことを言うんですね。

私たちは細かい視点にとらわれず、大きな視点で戦略を考えようとしていたのに、
Bさんの指示は本当に細かいものでした。
そして、技術的に難易度が高い仕事に価値があると思っているようで、
それは私たちがやろうとしていることに対して意味がない、
ということを繰り返し説明しているのに、全然納得していない様子で、
ずーっと部下に直接指示を出していました。

私の部下も、私の言うことかBさんの言うことか、どちらを聞けばいいのかわからず、
また、Bさんの言っていることが納得できないということで困ってしまっていました。

マイクロマネジメントと人の言うことを全然聞かない、
ほんとに困った上司でした。

なぜマイクロマネジメントがダメなのか

マイクロマネジメントの何がダメなんでしょうか。

職制上は別に部下に対して指示をすることはルール違反ではありません。

ですが、部下が困ってしまうような指示の出し方をすることは
ルール違反ではないと思いますが、モラル違反でしょう。

しかも、自分の意見や感情を押し付けるような形の指示は上司としてやってはいけないことですよね。

ちょっと私に気を使って、
「俺からはこういう指示を出したから」
と一言伝えてくれたりとか(私だけの話ではないと思いますが)、
もう少し背景を考慮して発言をしてくれればいいのですが、
そういう気遣いの感じられない指示や発言はやってはいけないことだと思います。

たぶん、AさんもBさんも何も悪気を感じていないと思います。
きっと自分が正しいと思っているだろうし、
なんならお前(私)が頼りないから代わりにやってやってるんだ、
くらいに思っているかもしれません。
俺が管理する組織の中にいる人間に俺が指示して何が悪い、くらいに思っていたのでしょう。

部下はそれをやられると、自分のことを信用してもらっていないと感じます。
上司の言う事を素直に聞くことができなくなるのも無理はないですよね。

また、自分が思っていないことや納得しきれていないことを指示されたら、
そんな仕事に対して意欲をもって取り組めるはずがありません。

私は私の部下がそういう気持ちになってしまうことが本当にイヤだったので、
頑張って抵抗してはみたものの、彼らを止めることはできませんでした。

私の中では、AさんもBさんも上司としては失格ですね。

働きやすかった上司はこんな人

では、どんな上司が働きやすかったのか。

私が今まで一番働きやすかった上司であるCさんの話を少ししたいと思います。

Cさんは距離感を取るのがうまい人でした。

簡単に言うと放置主義です。
他の部署から来た人だったこともあり、細かいことには口を出さない人でした。

一方で、定期的に仕事の進捗具合を確認し、悩みをよく聞いてくれる人でした。
Cさんと言えども、権限がそんなにあるわけではありません。
ですが、それは部下である私もわかっていることだったので、
言ったことすべてを変えてくれるなんて思ってもいませんでした。

Cさんは悩みに対していろんなアドバイスをくれる人でした。
簡単には変わらないことはわかってはいましたが、
そういう会話があるだけでも、この人は自分たちのことを考えてくれている、
という安心感を感じることができたものです。

そしてCさんの一番良かったところは、
ちょうどいい感じでこっちを挑発してくるんですね。

何かできないことがあったり目標を達成できていない状況でも、
頭ごなしに叱責したりはしません。
ですが、ちょーーーどいい感じでイヤミを言ってくるんですよ🤣
しかもしかめっ面ではなく、ニヤニヤしながら。

私は良い意味でCさんの期待を裏切りたいと思い、いろいろと対策案を考えました。
結果、良いアイデアを引き出していましたし、それは私に対してだけではありませんでした。
私の先輩がCさんと一緒に非常に良い企画を作っていましたが、
その一連の会話をずっと聞いていた私が思うに、
この企画は先輩の能力が高いからできた企画ではなく、Cさんがうまく先輩の能力を引き出したのだと私は確信しています
(この先輩自身の能力も間違いなく高かったですが)。

このあたりの上司との駆け引きというか勝負というか、
部下に課題認識とモチベーションを持たせるのがとてもうまい人でしたね。

自由にもやらせてくれるんだけど、ちょうど良いタイミングで引き締めてくれる、
そんな人でした。
この人の下で働いていた時はのびのびと仕事をすることができました。

人間であれば誰しも相性がありますので、
これはあくまで私の感じ方です。
現に、Cさんのことを嫌いと言っている人がいることも私は知っていますからね😂

ちなみに昨日の記事で書かせてもらった本の中で
マイクロマネジメントが発生してしまう時の上司と部下の関係性を
具体と抽象の概念を使って見事に表現されている部分があります。

昨日の記事と一緒に紹介させていただきますので、
良かったらどちらも読んでみてください。

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