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本当に頭の良い人とは? これを読めばスッキリします

今回は本の紹介をしたいと思います。

今回紹介する本はこちらです。

『具体⇔抽象トレーニング』 細谷 功 著

読んだのは少し前で、過去の私の記事でも少し紹介させてもらいっています。
もし良かったらこちらの記事も読んでみてください。

働かないおじさんが生まれる原理 私は1月から新しい部署に異動してきました。 ここにきて最初に目についたのが、働かないおじさんの多さです。 ...

ここで少し触れたのでまた書くのはどうかなあと思いましたが、
この本の内容はきちんとした記事で紹介したかったので、
今回記事にさせてもらいました。

私がいつもボンヤリと考えていることを、
こうもわかりやすく言語化できるのか、
というくらいわかりやすく説明してくれています。

本書の内容をそのまま書いても面白くないので
(というか、絶対に直接読んだ方が学びが多いと思うので)、
できるだけ私の解釈を織り込みながら書かせてもらいたいと思います。

では、いってみましょう。

 

  1. 頭の良い人のメカニズム
  2. 『要するに』の使い方がうまい人
  3. 具体抽象ピラミッド
  4. 最後は『思い込み』が大事

 

頭の良い人のメカニズム

いきなりですが皆さんが、
この人頭が良い人だなあ、
と思うのってどんな人でしょうか?

  • 記憶力がある人
  • 知識量が豊富な人
  • 論理的に話せる人
  • 話すのが上手な人
  • 理解が早い人

こんな感じですかね?

いろいろなタイプの人がいると思いますが、
おそらくこの質問をした時の一般的な答えは

「勉強ができる人」

ではないでしょうか。

いわゆる学校での成績が良く、偏差値の高い大学に入ってなかなか取れない資格を取ったり、倍率の高い会社に入社するような人のことですよね。

多少言いたいことはあったとしても、おそらくこの回答を否定する人はいないでしょうし、高い社会的地位にいる人のことを羨望の眼差しで見てしまいますよね。

ですが、世間一般では良いとされている大学を出ているのに、仕事をさせるとからっきしダメな人っていますよね?

同じように要領よく仕事ができない人が他にいたとしても、その経歴が華やかであればあるほど、あんな大学出ているくせにこんなこともできないのか、という目で見られてしまいます。

それとは逆にそれほど良い学歴ではないのに、きちんと仕事ができる人もいますよね。

このことから考えても、勉強ができることと仕事ができること、世の中でうまく生きていけることということの間には、相関関係はあったとしても因果関係はなさそうです。

では、これらの人の間にはある差異は何でしょうか?
本当の意味で仕事ができる人に共通していることは何なのでしょうか?

私はの答えは

『抽象』と『具体』を適切なタイミングで往復できるかどうか

ということだと思っています。

『要するに』の使い方がうまい人

抽象的であるとはどういうことでしょうか?
逆に具体的であるとは?

具体的というのはなんとなく説明できるような気がしますが、抽象的というのはその言葉の意味通り、上手に説明するのが難しい概念ですよね。

この本で説明されているこの2つの言葉を私なりに要約すると

  • 具体 = それぞれの項目の相違点
  • 抽象 = それぞれの項目の共通点

ということになると思います。

本書の中で取り上げている例を使ってもう少し詳しく説明させてもらいます。
次の絵を見てください。

一番下の層にあるトノサマバッタとオンブバッタは違う物ですよね。

つまり、具体であるのに対して、その上にあるバッタというのはこの2つの異なる物の共通点をまとめた物、つまり抽象になります。

さらにバッタとクワガタというのは違う物(具体)ですが、虫という共通項(抽象)でまとめることができます。

つまり具体というのはそれぞれの項目の違いであり、抽象というのは共通である、というわけです。

また、抽象と具体は相対的な概念です。

虫という項目がバッタやクワガタという項目に対しては抽象的であったのに対し、
動物という項目から見ると具体になるわけです。

先述のように学校の成績が良かった人というのは具体、つまり物事の違いをたくさん知っている人と言えるわけですね。
この能力というのは鍛えることができます。
つまり、勉強したり調べたりすることで情報量を増やすことができるわけです。

ですが、情報量が多いだけではダメですよね。
会議などでみんなが思い思いのことを話し始めてうまくまとまらなくなることを「発散する」というような言い方をしますが、これは具体の話だけをしているわけです。

こういう場合は物事の共通を点を見つけ出してまとめる力が必要になってきます。

いろんな意見がある状況の中で
『要するに・・・』
という言い方で意見の共通点を見つけ出せる人、つまり抽象化できる人が仕事ができる人と言えるでしょう。

逆に抽象的なことばかりを言う人もいます。
曖昧でつかみにくく、スローガンのような指示ばかりを出す上司もいると思いますが、
「あなたの言ってることはイメージはわかるんですが、
具体的にどんな行動を起こせばいいかわかりません」
と言いたくなるタイプの人です。

確かにそういう言いたくなる気持ちもわかるんですが、実はここでも頭の良い人は
「要するに・・・」
という言い出しで、抽象的な指示から具体的に何をやればいいのかを分解できるんですね。

このように、具体と抽象を場面に応じで
「要するに・・・」
という考え方で分割したり共通点を見つけ出せる人、
そういう人が私の中での頭が良い人という定義になります。

具体抽象ピラミッド

本書の中でこのあたりの説明を実にわかりやすい絵で表してくれています。
名前を『具体⇔抽象ピラミッド』と言います。

さきほど出てきたバッタで言うと、横の広がりが種類の多さに当たります。
具体であればあるほど種類が多くなります。

一方で、縦の広がりが抽象化になります。
上に行くほど共通項でまとめられるので種類が少なくなってきます。

本書の中では、横(情報量)の広がりだけではダメで、具体と抽象を表す縦の広がりこそが知の発展であると述べています。

いくらバッタの種類をたくさん知っていたところで、虫という概念を人は縦の移動ができません。
逆に虫という概念を知っている人はバッタを俯瞰的に見ることができるわけです。

世の中の目に見える(=違いがわかる)様々な現象の共通点を見つけ、どんどんと抽象化していくのが科学の進歩と言えます。
そして、その行き着く先が『法則』と呼ばれるもので、この法則で多くの物事を説明できるようになります。
そしてその法則というはシンプルである場合が多いわけです。

まさに情報量と抽象化の関係性をこのようなピラミッドの絵で説明した著者は、天才級に頭が良い人なんだろうなと私は思うわけです。

最後は『思い込み』が大事

これだけ論理的に具体と抽象の説明をしている筆者ですが、面白いことに

抽象化とは都合の良いように切り取ること

と繰り返し述べています。

さきほどのバッタの例で言っても、どのような見方で共通点を見出すかによって抽象化のやり方が変わってきます。
その見方というは時と場合によって違うから正解はない、ということだそうです。

ここもまた参考になると思うのですが、たとえば会議では何かの目的を達成するために議論をしますよね。
それを実現するためにみんなが自分の知識(情報)を並べるわけですが、
それをまとめる人が都合の良いように切り取って抽象化すること、
つまり会議の目的に合ったまとめ方ができないとそれこそ会議は発散してしまいます。

この「都合が良い」=「目的に合致した」まとめ方ができる人が頭の良い人だと言えるでしょう。

具体例を並べるだけだと言い合いになってしまいますが、抽象的な概念を並べるだけでも身のないスローガンや精神論になってしまいます。
大事なのは具体と抽象を往復することなんです。

学校ではこの具体をたくさん教えてもらいます。
いかに具体をたくさん覚えるかによって優劣が決まる仕組みなので、情報をたくさん取得した人が良い評価をもらうことになります。

ですが、抽象化の方法というのはあまり学校では教えてくれません。教えられるような物でもないかもしれませんので、これはセンスと言ってもいいのかもしれません。

そう考えると学校の勉強ができなくても仕事ができる人がいるというのもうなずけますし、
逆に良い学校を出ていても抽象化が下手な人はあまり良い仕事ができない、
というのも納得できるのではないでしょうか?

ですが、東大や京大のようなトップクラスの大学の入試問題って、
いくら情報量が多くても解けなくて、「要するに・・・」という抽象と具体の往復ができないと解けない問題になっていることに気づくと思います。
つまり、彼らはすでに入試の時点で抽象化の練習をしているということなんですね。

いわゆる偏差値の良い大学を出たすべての人がピラミッドの縦の移動が上手なわけではないにせよ、
他の人に比べれば縦移動を上手にできる可能性がある、ということは言えるでしょう。

さらに言うと、会社を起業して、他から見ると破天荒にも思えるようなやり方で会社を大きくしていく人がいますが、そのメカニズムも具体と抽象の見方で説明できます。

つまり、このような起業家は「自分の都合の良いように」ものごとを切り取っているんでしょう。
その切り取り方が他の人とは違うので、他の人には理解できないのだと思います。

凡人には「虫」という共通項でしかくくれないと思っていても、この人には違う共通項が見えているということだと思います。

この本の一番面白いところがこの
「都合の良いように切り取る」
というところだと私は思っているのですが、
つまり、どんどん縦の移動を進めていったとしても人によって行き着くところは違う、
ということが言えると思います。
自分が行き着いたところが正解であると思い込むしかないというわけです。
そしてその思い込みを否定してはいけないということですね。

よく会社の偉いさんでも、情報(具体)ばかりを並べさせてまとめ(抽象化)しようとしない人がいますよね。
抽象化していくのが自分の仕事であるはずなのに、その権利と義務を放棄するどころか
部下に押し付けようとしてくる偉いさん、どこにでもいますよね。

たぶん偉いさんは判断で失敗をしたくないと思っているからそうなるんでしょうけど、
ここで見てきたように、失敗かどうかなんてわからないんだから、
もっと思い込みで抽象化してもいいと思うんですけどね。

俺が思う共通項はこうだ。
だからお前らついてこい!!
って言ってくれる上司は・・・なかなかいないですよね。

あ、そう言われてもウザいだけか🤣

私の説明だとうまくこの本の素晴らしさを表現できていないと思います。
是非皆さんも一度、この本を手に取っていただきたいと思います。