仕事

常夏の国の人はみんなキリギリス?

今日もインドネシア駐在時のことを書きたいと思います。

みなさん、インドネシアと聞いてどんなことを思い浮かべますか?

たぶん、何も思い浮かばないですよね😅

まあ、よくてバリ島が思い浮かぶくらいでしょうか。

せっかく4年もインドネシアに住んで、
現地の人たちと交流する機会をもらえたので、
私が感じたことを残しておきたいと思います。

インドネシア人の一番の特徴

インドネシアの国民性を表現する特徴はいくつかあると思いますが、
その中でも顕著な特徴だと思うのは
物事を積み上げ式で考える
ということです。

駐在を開始して間もない頃、仕事が遅い、納期を守らないと感じることが何度もありました。
そこで、自分の計画を作らせる、ということを
私がインドネシアに駐在して真っ先にやろうとしました。

まずは自分のこの先一ヶ月の予定を作りなさいと指示したわけですが、
計画を作るのが下手なこと下手なこと😣

慣れていないだけなのかもしれませんが、
計画表のフォーマットを渡して書かせてみたところ、
ほぼ白紙で出てきました。

もちろん、日本にだってそういう人はいますが、
インドネシアはその率がかなり高い。
エース級のスタッフでもそれができませんでした。

まず、この仕事をいつまでに終えないといけないのか、
という概念がない計画なんですよね。

普通は、これをいつまでにやらないといけなくて、そのためには何をやって、
その前に何をやって。。。という具合に逆算していき、
だから今これをやらないといけない、ってことになりますよね。

でも、多くのインドネシア人は今これをやれるからこれをやる、
という考え方なんです。
ひとつの仕事が終わったら、さあ次に何をやろうか?何がやれるか?
と考えて思いつきに近い形で仕事を進めます。

つまり積み上げ式で考えていくんですよね。
だから、気がついたら納期を過ぎていたなんてことになるわけです。

そんな計画で納期に間に合うのか?
と聞いた時の反応がけっこうおもしろかったのですが、
あー、そうだね、間に合わないね、
という感じなんですね😂

仕事の全体像が頭に入っていないということもあるかもしれませんが、
とにかく先のことを考えない民族です。

木の実が年中なってるから腹が減ったらいつでも食べれるからそうなったんだよ、
と言っている日本人の同僚もいました。
まあ、それもはずれではないとは思いますが、
私はちょっと違うんじゃないかと思っていました。
さすがにそこら辺に食べ物が落ちているような、
寝てても食べていけるほど簡単に生活できる場所はないでしょう。

準備をする必要があるかどうか

私が思うインドネシア人の多くがそういう考え方になった原因は
寒さを防ぐ必要がないから
だと思っています。

寒さを防ぐためには服を作ったり、暖をとるために薪を集めたり、
といろいろ準備をする必要があります。
つまり、先を見越した準備をしないといけません。

特に日本は寒さだけではなく自然災害が多い国ですから、
それに対する備えもしないといけない。

だから、自然と先を見越すということが身につき、
国民性と言えるくらいにまでなったんだと思っています。

世界を見回しても、一般的に南国の人は働かないとかのんびりしていると言われますが、
その理由は寒さ対策が不要であることだと思っています。

その証拠に、先進国と言われる国は寒い国が多いですよね。

寒さをしのぐ準備をすると同時に食料も確保しておかないといけない。
冬には作物が取れなくなりますからね。

そうなると生産性を高めないといけない。
大量の物を簡単に運べるようにしておかないといけない。
蒸気機関が発明されたのもそういう必要性があったからではないかと思います。

ですが、インドネシアは冬に備える必要がないんですね。

たとえとして極端かもしれませんが、
外で寝ていても凍えて死んでしまうということがないんです。
それであれば、まあ明日でもいいか、ってなりますよね。

余談ですが、インドネシアでは蚊による感染症が身近な危険としてありました。
一時、日本でもデング熱患者が出て大騒ぎになりましたが、
インドネシアでは普通にデング熱にかかる人がいました。

普通のインドネシア人に比べると圧倒的に衛生環境の良い日本人駐在員や
その家族でもデング熱にかかる人は珍しくはありませんでした。

寒さをしのぐ必要はなくても、そういう危険はありました
(インドネシアに限らず、南国では蚊の被害というのは脅威なんですけどね)。

製造業には向かない国民性

人が楽しく生きていくためにはこの積み上げ式の考え方の方がいいですよね。
だって、先の心配をしなくていいんですから。

だから、インドネシア人は基本的にみんなめっちゃいいヤツです。
細かいことは気にしない。
ミスや遅刻をしても怒らない。
仕事が絡まなければ本当にめちゃくちゃいいヤツばかりでした。

ただ、私が働く製造業ではロスを少なくするために先を見越して行動しないといけません。
積み上げ式では納期を満足させることは絶対にできないし、
改善もなかなか進んでいかないですからね。

そうなるとインドネシア人には向いていない業界なんだと言えると思います。

先日も記事にしましたが、外資以外の製造業がなかなか成長しないのは
ここにも原因がある私は思っています。