仕事

なんであんたに言われなあかんの? 行き過ぎた平等主義

私は製造現場、簡単に言うと工場で働いています。

最近異動になったので、正確には「働いていた」ですけどね。

工場で働いている人であれば誰もが一度は苦しめられる製造現場との確執について今回は話をしたいと思います。

それでは行ってみましょう。

  1. 製造現場ってこんな人たちが多い
  2. 内政干渉やろっ!!
  3. 日本の製造業の底力と限界

製造現場ってこんな人たちが多い

私は世間一般でいうところの製造技術や生産技術と呼ばれるような仕事を長年やってきました。

設計部署から下りてきた図面に基づいて、それを作るための設備や道具を準備し、
それらの道具を使って実際に図面通りの物が作れるかどうかを確認した後、
生産現場に下ろすまでを担当する職場です。

会社によっても違うとは思いますが、この技術職場は大卒以上の社員が配属になることが多いです。
少なくとも私の会社は技術系の大卒や大学院卒の人が配属されます。

一方の生産現場の人たちというのは高卒の人がほとんどです。
中には大学を卒業していったんどこかの会社に就職したものの、
何かの理由で会社をやめて転職してきたというような人もいますが、
新卒で入ってきた人はほぼ100%高卒です。

学歴だけで物事を捉えるつもりはありませんが、
一般論として大卒の人の方が論理的に物事を考えられる人が多いのは確かでしょう。

一方で高卒の人には本当に純粋で素直な人もたくさんいるんですが、中にはチンピラまがいの人もいるわけです。
そういう人が幅を利かせる職場にあたってしまうと本当に厄介です。

製造現場というのは本当にルールがいっぱいあります。

そんなことまでルール化しないといけないの???
というようなルールがあります。

たとえばですが

  • 工場内の白線を踏んではいけない
  • 作業をしているわけでもないのに帽子をかぶらないといけない
  • 作業をしているわけでもないのに安全メガネをかけないといけない
  • 横断歩道を渡る時に左右を指をさして確認し「ヨシッ!!」と言わないといけない

などです。
これらのルールは日本の工場では代表的なあるあるでしょうね。

もちろん、製造現場はオフィスワークと違って危険が至るところに転がっています。
一瞬の不注意で体の一部がなくなってしまうような事故も起きてしまいます。

だからルールが厳しくなるのも当然というところもあるのですが、
なんだかわけのわからないルールが多いのもまた事実です。

そのルール縛りの延長にあると思われるのが、平等主義です。

うがった見方かもしれませんが、先述したチンピラみたいな人は言うことを聞きません。
社会人なのに頭をまっ金金に染めてくるやつとか、ヒゲボーボーのやつとか、
違反改造バリバリのバイクで通ったりする人もいます。

高校を卒業したての若者が働く職場ですからね。
しかもたいていは工業高校を卒業してくる人が多いのでそういうヤンチャな人が多いのもうなずけますが、
そういう人たちは多少の恐怖でもってコントロールする必要があったりします。

ですから、製造現場のエラいさんは声がデカくてイカつい人が多いです。

昔から、なんで各工場の偉いさんはこんなにも高圧的で怖い人が多いんだろうか、
と思っていたことがありますが、
そういう言うことを聞かない若者にナメられないようにしてるんだよ、
という話を聞いて、納得したものです。

そんな人たちが管理・運営している職場ですから、はたから見ると謎に思えるルールや、
ちょっとやり過ぎやろと思えるような徹底した管理が求められるわけです。

内政干渉やろっ!!

このような平等主義に基づいた管理体制が敷かれる製造現場ですが、
自分たちの職場だけでやってくれる分にはこちらは何の文句もないのですが、
しばしば他の職場にも同じような管理を求めてくることがあるんです。

俺たちがこういう管理をやっているんだからあなたたちもやってもらわないと困る、
現場の人間が真似をするからもっとルールをたくさん作って管理を徹底してもらいたい、
という論法です。

たとえばですが、私たちが机で仕事をしながら軽くお菓子を食べていたりすると、
もう格好の餌食です。

俺らは仕事中に何も食べられない、なのになんでお前らはお菓子を食べてるんだ、と。

いやいや、別にボリボリ食ってるわけじゃなくて、ちょっとつまんでるだけやないかい😤

私のいた事務所は建物が古いせいで夏は暑く、冬はとても寒いんですが、
仕事中はジャンバーを着てはいけないことになっています。

なぜかというと、現場の人たちが着ていないからです。

ジャンバーを着ていたら作業の邪魔になったり機械に巻き込まれたりする。
だから現場の人はジャンバーを着られない。
不公平だからお前らもジャンバーは着てはいけない。

そんな理屈です。

でもですよ、現場の方が冷暖房が効いていて快適だったりするんですよ、これが。
それなのになんで私たちだけが寒さに震えながら仕事をせなあかんねん?って話ですよ。

これって平等なんですかね?
みんなが同じ環境で同じ労力を使って同じような危険な目に逢う必要があるのでしょうか?

最近あった、なんでやねん!!な出来事は人事評価です。

製造職場から私たちのいる部署に人が異動をしてきました。

彼は比較的優秀な人材で、過去4年間ほどずっとA判定をもらっていました。
そんな状態だったのでその年の昇格試験を受けさせ、見事に合格しました。

確かに異動してきてすぐの昇格というのはちょっと気が引けるものです。
まだ新しい職場に来てから何も成果を出していないわけですからね。

ですが、その彼もずっと良い成績を出してきたのに、諸事情によって昇格させてもらえなかった。
今のうちに彼を昇格させておかないと、社内の人事評価ルールで言えばまた数年先まで昇格できなくなってしまう。

異動というのは会社の都合でさせるものという側面もある以上、
異動をすることで彼が不利益を被ってしまうのはあまりに不公平だ。

悩んだ末、彼の能力への期待も込めて昇格をさせることにしたわけです。

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ところが、です。

その結果をどこで聞きつけたのか知りませんが、製造現場から苦情が来ました。
なんであいつを昇格させたんだ、と。

特に製造現場の大ボスからはかなりの剣幕で迫られました。

異動してきてすぐに昇格なんかさせてもらったら困る。
異動すれば昇格できるとなったらみんなが異動をしたがるだろ。
それじゃ製造現場は成り立たなくなる。
製造現場はお前らなんかより気を使って人事評価をしている。
余計なことをしてくれたら困る!!

というわけです。

夜中に事務所で大ボスと私の2人だけになった時にそう言って怒られました。

さすがに私も黙ってられなかったので言い返しましたが、
大ボスは、お前はわかってない、そんないい加減なマネージメントしてたらダメだ、
と私に吐き捨てました。

私たちには私たちの都合がある、何も考えてないと言われるのは心外だ!!
と言い返しましたが、お互いの主張は平行線のままでした。

私も迷いながらもいろんな事情があって判断したわけで、
その背景を何も確かめもせずに、自分たちだけの論理でこちらの組織運営を非難してくる。

結局、なぜそんなに気を使わないといけないかというと、自分の働き方や出した成果を顧みず、うまくいってる他人をうらやむ人が少なからずいるわけです。
そしてそれを露骨に主張してくる人がいるんでしょうね。

私からすると、行き過ぎた平等主義だと言わざるをえない状況でした。

それならそうと初めから紙に書いておけよ、って言いたかったですよ、まったく。

日本の製造業の底力と限界

このように、日本の製造現場というのはなかなかの魑魅魍魎の世界だったりするわけです。

もちろん、そういう世界は製造現場だけの話だけではないかもしれませんが、
私が知る限りでは製造現場のコントロールというのは理屈の世界ではありませんでした。

そういう人たちを管理するのは普通よりも骨が折れるのは確かでしょう。
ですが、その理屈を他の職場にまで押し付けてくるのは本当にイヤになりましたね。

この平等主義は悪いことばかりではないとは思います。
和を以て貴しとなすではありませんが、きめの細かい管理によって団体の力を引き出しているところが日本の製造業の底力であることもまた事実でしょう。

ですが、このような行き過ぎた平等主義は自分たちの身を滅ぼしてしまうこともあると思うわけです。

・・・とまあ、最後は壮大な締めをしようと試みましたが、
言いたいことは、

俺らのことはほっといてくれ!!

自分たちのことは自分たちだけで完結してくれ!!

ってことだけなんですけどね。