技術

なぜ便利を拒んで不便を好む? 日本のサービス普及の遅さ

こんにちは。かこかと申します。

最初に簡単な自己紹介をさせてください。

  • 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長 金属切削の製造技術歴 約20年
  • 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
  • インドネシア駐在経験あり。インドネシア語検定C級持ってます
  • 小さくてもいいからガッツポーズができる人生を目指しています
  • 好きな漫画は『宇宙兄弟』です

https://www.shibakin.com/self-introduction/

突然ですが、みなさんは電子マネーを使っていますか?

ペイペイ、d払い、auペイ、楽天ペイ、LINEペイ・・・などなど、本当にたくさんの電子マネーが乱立しています。

本当にたくさんのサービスがありますが、私個人的には
普及するの遅くない?
と感じています。

今回は日本の電子サービス普及の遅さについて、
インドネシアでの電子サービスの普及具合と比較して考えてみたいと思います。

  1. インドネシアの実際はこんな感じ
  2. 部費を電子マネーで集めませんか?

インドネシアの実際はこんな感じ

コロナ以後、お店でご飯が食べられなくなったことでUberが一気に普及しましたよね。

また、電子マネーも以前からあったと思うのですが、コロナによって以前よりは普及した感があります。

かなり便利になったー、と喜んでいる方もたくさんいると思います。

ですが、私がしばらく住んでいたインドネシアでは
日本よりもだいぶ前からこれらのサービスが普及していました。

私はよくグラブやゴジェックというサービスを利用していました。

グラブというのは世界的に展開している個人タクシーサービスのことで、
個人が所有している車を使ってお客さんを目的地まで連れていってくれます。

ゴジェックというのはインドネシア発のサービスで、要はバイクタクシーのことです
(今は車のタクシーサービスもあります)。

普通のタクシーであれば、道に出てタクシーが来るのを待ち、
大きく手を挙げて呼び止めないといけません。
ですが、これらのサービスはアプリで車を呼び出せるんです。
なので、あまりタクシーが通らないような道でも長時間タクシーを待つ、
なんていうこともありません。

サービスの使い方を簡単に説明すると、まず目的地をアプリに入力します。
地図サービスを使っているので、建物の名前や住所などでも入力ができます。

すると、現在地から目的地までのおおよその金額が表示されます。
もちろん、現在値は自動で入力されますし、現在地とは違うところにも呼び出すことは可能です。

表示された金額で合意できればあとは近くにいる車をシステムが探してくれてマッチング。指定した場所まで車がやってきてくれます。

目的地は事前にアプリに入れているので特に伝える必要はありません。
まあ、ドライバーによっては細かく言ってあげないといけない人もいますけどね。

支払いもアプリ上にお金をチャージしておけば、スマホ上で終わらせることができます。

しかもこれらのサービス、普通のタクシーだけじゃないんです。

Uberのような食事のデリバリーはもちろん、洗剤やトイレットペーパーなどの日用品なども買ってきてくれたり、
家の掃除をしてくれる人まで探してくれたりするんです。
さすがにこれはインドネシアならでは、という感じですけどね。

本当に便利なサービスだと思いましたし、日本でも普及してくれたらどれだけ楽だろう、
とよく思ったものです。

電子マネーについては、日本ほどいろんなサービスが乱立しておらず、
私の知る限りは2社だけでしたね。
アプリもシンプルでわかりやすかったですし、かと言って日本のようにいろんな値引きがないわけではありません。

それどころか、値引き率が15%とか、まじで!?と言いたくなるようなディスカウントも
しょっちゅうありました。

クレジットカードや銀行口座からお金をチャージできるのですが、
日本のようにペイペイに自動チャージする場合はヤフーカードじゃないとだめ、
みたいな縛りもなく使い勝手はとても良かったです。

銀行アプリも簡単で使いやすかったので、チャージは本当に簡単でした。

私が日本に帰ってきた頃からUberや電子マネーが普及し始めましたが、正直、

日本、遅っ!!

って思いましたし、

アプリ使いにくっ!!

って思いました。

私の住んでいる所は田舎なのでUberは頼んだことがまだないのですが、
電子マネーの複雑さをみると本当に普及させようという意思があるんだろうかとすら思ってしまいます。

部費を電子マネーで集めませんか?

テレビで電子マネーのコマーシャルをよく見かけるのでどんどん普及してるんだろうなと思っていたのですが、
友人などに聞いてみると意外とそうでもないんですね。
システムやアプリの複雑さもあってか思ったより普及していないようです。

今私は子供の部活の会計を担当しているのですが、
部費をペイペイを使って集めてはどうか、と提案してみました。

それまでは集金袋にお金を入れて子供に持たせるわけですが、
袋をなくす子供がいたり、
ちゃんと親に袋を渡さない子供がいたり、
お金をなくしてしまう子供もいます。

細かいお金を準備したりしないといけない場合は、親にとっても面倒ですよね。

また、集める側も集金袋の管理や、
誰が支払い済かをチェックしたり現金を保管したりと、
とても面倒です。

ですが、電子マネーを使えばそれらの問題はほぼ解決されるわけです。

実際、インドネシアに住んでいた日本人の間では電子マネーを使ったお金のやり取りが日常的に行われていました。

そういう経験もあったので、私としてはすごく良いアイデアだと思って提案してみましたが、
他の親の反応はいまいち・・・

まだ使ってない人もいるし、ということで良いとも悪いとも言われず、
まあね・・・という感じでうやむやなまま終わってしまいました。

使ってない人がいるから、という理由であればまあ納得もできるんですが、
電子マネーで部費を集めるなんて・・・という、
言葉は悪いですがなんとも古臭い感覚の方が多いことに驚かされました。

なんで日本はこんなにも新しい物に対する拒絶反応があるのだろうかとがっかりしてしまいます。

他の例で言うと、インドネシアではコロナが流行しだして外出ができない状況になったら、すぐさま小学校でもオンライン授業を開始しました。

PCを持っている家庭は多くないので、親のスマホとかを使っての授業という家庭が多かったみたいです。

そんなんでもいいの?という意見もあるかと思いますが、
対応の早さという意味ではいまだにオンライン授業の影も見えない日本の学校とは比べ物になりません
(オンラインがすでに開始されている学校もあると思いますが、
私の子供が通う学校ではまだ開始されていません)。

PCやスマホなどのインフラについては家庭の考え方もあるので仕方がない部分もあるとは思うのですが、
オンライン授業ができる環境が揃っていない家庭が1件でもあればやらないし、
ペイペイを使わない人が1人でもいれば部費すら集められない、
というのはあまりに極端すぎないかと思ってしまいます。

少し強引な言い方になってしまうかもしれませんが、海外では・・・
いや、私が知っている範囲でのインドネシアであっても、
大勢の人が便利だと感じるサービスやシステムがあればある意味容赦なく切り替わっていきました。

付いてこれない人が悪い、くらいの感じもありましたね。

日本の場合、そんなことをしたら凄まじいクレームが来るのでしょうけど、
変えようとしない人や極度にリスクを恐れる人にその他大勢が合わせないといけない雰囲気が本当に息苦しく感じてしまいます。

インドネシアって、知らない日本人からすると、いまだに未開の地がたくさんあるイメージだと思います。

テレビやネットでは中国ではこんなにも進んでいる!!
というような報道をされることがよくありますが、
そんなインドネシアですらこれだけのスピードで普及しているので、
中国なんてもっとすごいんだろうなと想像します。

なんというか、もっと日本も便利さに敏感になってほしいし、
リスクを毛嫌いしないでほしいなと思ってしまいます。