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強制?自主性? 結局は〇〇が大事

こんにちは。かこかと申します。

最初に簡単な自己紹介をさせてください。

  • 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
    金属切削の製造技術歴 約20年
  • 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
  • インドネシア駐在経験あり。インドネシア語検定C級持ってます
  • 小さくてもいいからガッツポーズができる人生を目指しています
  • 家に帰ったらすぐに靴下を脱ぎます

https://www.shibakin.com/self-introduction/

先日、共同研究をお願いしている大学の教授とお話をする機会がありました。

コロナ禍によってこれまでとはまったく違う生活を強いられている学生さん達。

家族や身内に学生がいないと
コロナのせいでバイトができなくてかわいそうだねー
友達が作れなくてかわいそうだねー
くらいしか思わないと思いますが、実際にはもっといろいろな変化が起こっているようです。

今回はそれについて書いてみたいと思います。

  1. 最近の大学生事情
  2. 強制と自主性 どっちが大事?

最近の大学生事情

今回お話をさせていただいた先生はある国立大学の工学部教授です。

仕事の関係でお話しする機会がありました。

仕事の話をする前に先生が話を始めたのですが・・・これがけっこう長い。

でも、長いからと言って苦痛かというとそんなこともなく、むしろ面白い。

仕事の話そっちのけで聞いてしまいました。

まずまっさきに教えてくれたことが、今年は留年する学生がとても多かったらしいです。

その主な原因は、コロナ。

というか、コロナによるオンライン授業の普及が原因だそうです。

コロナが流行し始めた頃に比べて環境が整ってきていて、
ひと時のような授業すらまともにできない状況からは脱しているそうですが、
やはり対面でないことによるデメリットが影響しているとのことでした。

一つ目が、授業を受けているかどうかを監視できないということ。

オンライン授業が普及したことにより、自宅から離れている大学の授業も自宅から受けることができるようになりました。

ですが、本人が自分の部屋にこもっていると、
実際には授業を受けていなくても家族は授業を受けていると思い込んでしまうみたいです。
それで、留年が決まってから授業を受けていなかったことを家族が知る、
というようなことがけっこうあるようです。

まあ、我々が学生の時代でも自分で自分をコントロールできずに留年する人は少なからずいましたが、
周囲の様子をほとんど知ることができないという意味では、以前よりも今の方がより難しくなっているのかもしれません。

あとはやはり、友達ができくいということも影響しているようです。

友達がいるといろんな情報が入ってきますので、
このままじゃやばい、
と危機感を感じたりします。

また、授業でわからないことがあったら聞くこともできるし、
レポートなども協力して書くことができる。

とにかく、周囲と自分を比較することで自分の位置を確認できますし、
刺激を受けることもできます。

ですが、人と接することができないため友達を作ることができず、
周囲と連携することができずに落ちこぼれてしまう学生が以前よりたくさん発生しているそうです。

友達がいないというよりも、そもそも友達を作る機会がない、ということが影響しているようですね。

一番最初にみんなでオンラインで顔を合わせる会みたいなのもあるようなのですが、
そこでうまく連絡先の交換などができなかった学生は、そのまま最後まで独りぼっちになってしまうそうです。

サークル活動もないので先輩から情報をもらったりといった情報交換の場もない。

先生が言うには、ゼミで研究室に配属されてきた学生さんと最近一緒に飲み会に行ったらしいのですが、中には
「今回が居酒屋に来るのが初めてです」
という学生さんがいて驚いた、とおっしゃっていました。

教授陣もそういう状況に手をこまねいているわけではなく、
いろいろと工夫をされているようで、
たとえば授業についてはアーカイブしておいて何度でも見れるようにしたり、
TA(Teaching Assistant指導補助)の学生を今までよりたくさん配置して、
わからないことがあったらいつでも聞けるようにしたりと、
授業の充実度だけで言うならば従来よりも格段に向上していると思います。

それであれば授業に来ない学生の面倒を見てあげればいいのでは?
今は以前に比べても出席管理もしやすくなっているのでは?
という風にも思いますが、やはりそこは大学ですので、
授業を受けない学生にまで救いの手は差し伸べてくれません。

大学は義務教育ではないので、当たり前ですよね。

その先生が言うには、
オンラインでやればいいという批判が多く出ている中で中学や高校が強制的にでも
生徒を出席させているのは大事なことだ、
ということだそうです。

高校は義務教育ではないものの、世間一般にはまだ親の保護が必要な年代。

おそらく自主性だけに任せて放置しておくと、
大学生以上にだらけてしまうことは想像に難くありません。

強制と自主性 どっちが大事?

一方で強制ばかりが良いのでしょうか?

強制の塊のような部活で考えてみます。

怠け者の私からすると、あれだけ強制的に練習させられるのは耐えられないのですが、
それでもみんな耐えていますよね。

強制されるのも監督から罵声を浴びせられるのも次第に慣れてくるものらしいですが、
やはりさきほどの大学の先生が言うように、中学、高校くらいの年代であれば
強制的に参加させないとだらけてしまうのでしょう。

私がインドネシアに住んでいる時の話ですが、
学校に部活がなかったため、中学生でも授業が終わったらすぐに家に帰ってきて
家でゴロゴロとスマホを見る子が多かったですね。

考え方にもよるとは思いますが、これくらいの年代というのはある程度強制的に
何かをやらせるということも悪いことではないのだと思います。

ただまあ、野球部の監督のあの罵声はどうなのか・・・というのはありますけどね。

大学生も似たようなもので、自分で選んで大学に進学しているとはいえ、
中学、高校、大学と進むのは自分で選んだ道でもなく、
大半の人にとっては誰しもが進む既定ルートであるわけです。

かつ、お金をもらっているわけでもないので義務感も特にない。

ということは、やはり大学生であっても強制力というのはある程度必要なのかなと思います。

ただ、先生が大事なことを言っていました。

そんな中でも自分で動ける子は勝手に動く、と。

私は経験したわけではないのでわかりませんが、
高校や大学まではエリートとして鳴らしたスポーツ選手が
プロになった途端に結果を残せなくなることってよくありますよね。

これも同じことなんじゃないかなと思うわけです。

大学までは強制的に練習をさせられていたけれど、
プロになった途端に自分で自分を律しないといけない。
決められたやり方があるわけでもないので試行錯誤をしないといけない。

そういう環境にうまくなじめずに成績が降下していってしまうというのも
メカニズムの1つとしてあるんじゃないかと思います。

強制されることが悪いわけではなく、
それをきっかけとして使いながらも自主性を持って自分で考えて動けるというのが
やはり最強なんだろうなと、先生の話を聞きながら思いました。

やっぱり世の中はバランスが大事、ですよね。