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英語化は愚民化 インドネシアで感じた言葉の重要性②

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前回の続きです。

前回の記事はこちら。

英語化は愚民化 インドネシアで感じた言葉の重要性①こんにちは。かこかと申します。 最初に簡単な自己紹介をさせてください。 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長...

 

『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』  施 光恒 著


 

 

自国語で専門的な話ができることの重要性

 

偏見が入っているかもしれないということを承知しながらもあえて言わせてもらいますが、
インドネシアの高等教育のレベルは低いです。

まあ、日本の大学生も真面目に勉強している学生はそれほど多くはないですが、
たとえば専門用語を言った時に、しっかりと説明できるほどではないにせよ、
それってだいたいこういうことですよね?
くらいは言えるのが日本の大学生の一般的なレベルだと思います。

ですが、インドネシア人はそうではありません。

とにかく専門知識の幅が狭い。

いったい大学で何を学んでいたんだ?と言いたくなることがよくあります。
そのくせ、俺は大学を出ているということを強調してくる人が多いんですけどね。

その理由は、自国語で専門的なことを学び、高度な知識を身に付けることができないから、ということだと私は思っています。

本書の中でも書かれているのですが、日本ほど自国語で専門知識を学べる国はそう多くないそうです。

もしかしたら・・・と思ってスタッフに聞いたところ、大学の専門教科の教科書はほぼすべて英語なんだそうです。

やっぱりな、という感じでしたね。

一部、先生が自分で作ったテキストはインドネシア語で書かれている物もあったそうですが、たいていの教科書は英語しかないらしいんですね。

スタッフいわく、そのテキストを学生に買わせて教授が儲けようとしているんだ、と揶揄していましたし、そういう側面もあるのかもしれませんが、そういうことでもないと自国語で専門用語を学ぶということができない環境にあるようです。

たしかにインドネシア人で一定以上の教育を受けた人たちは、日本人の平均レベルの学生よりも英語を話すことができます。

ですが、専門知識をきちんと身に付けられるほどのレベルではないことがほとんどです。

専門知識というのはそもそもが難易度が高く、身に付けることが難しいものであるのに、さらにそれを慣れない外国語で学ばないといけないとなると、その苦しみが何倍にもなるのは、英語の専門書を読めと言われた時の苦しみを考えれば簡単に想像できると思います。

それを知って、インドネシアの高等教育のレベルが低い原因をほぼ確信を持って理解することができました。

また、インドネシアには本屋が少ないというのが私の印象です。

日本の場合、街には小さな本屋さんがたくさんありますし(それでも昔に比べれば減ったのかもしれませんが)、ショッピングモールには必ずと言っていいほどそこそこ大きい本屋さんがあります。

ですが、インドネシアでは本屋を見かけることがあまりありません。
ショッピングモールに本屋さんはありますが、日本のコンビニの半分くらいの広さしかないのが普通です。

私が知る限りですが、インドネシアで一番大きな本屋さんは日本の紀伊国屋書店でした。

そして専門書が置いてあることは稀です。

稀というか、私は見たことがありません。

そりゃ、小さな本屋に売れない専門書なんて置くわけがないですよね。

だから現地のスタッフが何か新しい知識を身に付けようと思っても、インドネシア語で書かれた本を入手することができないんです。

ですから、自分で勉強しようと思っても方法がないんですね。

英語の本はもしかしたらあるのかもしれませんが、それをスラスラと読んで仕事で使えるレベルで理解できる人はそう多くないでしょう。

インドネシアでも英語を話せる人はそう多くないですし、ましてや工場で働くワーカーの人たちはからっきしダメです。
そこはスタッフも工場ワーカーも日本と大差ありません。

本書では英語ができるかどうかで知識格差ができてしまうと述べられていますが、インドネシアの場合は格差ができる前に知識を習得する術がないと言ってもいいような状態でした。

それに比べて日本だと日本語で書かれた専門書がたくさんあります。

こんなにマニアックな本があるの?というような本を片手にデータを分析するスタッフも、そんなに多くはないですが、確実にいます。

海外の人たちは英語を話せるのに日本人は話せない、最近の日本の若者は海外に打って出るということをしない、というような批判は私が若い頃からよく言われていました。

ですが逆に言うと、わざわざ海外に出なくても日本の中だけで十分に事足りるだけの環境が揃っている、と言うこともできると思います。

多くの場合、英語を話せる人が多かったり、自国ではなくて海外で仕事をしている人が多いのは優秀であるからそうなったという理由よりは、英語が話せないとまともな仕事が得られない、海外に出ていかないと自国では生活できないなどの、どちらかというとネガティブな理由である場合が多いように思います。

そう考えると、日本から出ていかなくてもだいたいのことがまかなえる環境ある、自国語で知識を学び、議論し、物を作ることができるということは誇るべきことではあっても、恥ずかしいことではないのです。

準公用語として英語を設定しているケニアやフィリピン、マレーシアなどが例に出されているように、英語が話せるからといって国力が発展するかというと、それが決め手ではないことは明らかだと本書で述べられています。

逆に、国力が高い国の上位を見てみると、中国、ドイツ、フランス、そして日本と、アメリカやイギリスなどの英語を母国語とする国を除いたとしても、英語が話せるかどうかというよりも、自国語を発展させる努力をしている国こそが国力を高めていることは明らかなのです。

 

言葉に関する私の思い

国造りや文化的なことを論ずることができるほど、私は知識も教養もありません。

ですが、モノ作りは言葉である、と私は思っています。

機械が物を勝手に作ってくれてるんだから言葉なんていらないでしょ?と思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。

そりゃ、海外から設備を買ってきて動かすだけなら別に言葉なんてどっちでもいいのかもしれません(それすらそんなことはないと思っていますが)。

ですが、自国語で高度な教育を受けることができないため、大勢の硬度な知識を持った若者が育たない。

ゆえに自国の産業を発展させることができない。

自国語で技能を持った人を育てることができない。

海外から買ってきた設備を修理するスキルを持った人が育たない。

設備が壊れても修理すらできない。

私が関係している工場運営が関わっているのはこの最後の2行だけかもしれません。

ですが、設備が修理できないことには本当に何度も悩まされました。

自国に産業がないということは知識だけではなく、部品も海外から取り寄せないといけません。

部品が手に入ったとしても使い方が分からないからメーカーに聞くしかありません。

でも、そのためには英語か日本語が必要になる。

聞けないから直せない・・・

ということを毎日のように繰り返していました。

また、インドネシア語は比較的簡単な言語だと言われているので、多くの駐在員はインドネシア語を話せる人が他の国に比べても多かったと思います。

一方で、英語を話せる人というのはインドネシア語を勉強しません。

まあ、英語を使って仕事ができるんだからわざわざインドネシア語を勉強する必要がない、という風に思っていたのかもしれませんが、心のどこかに、英語でええやん、なんでインドネシア語なんていうローカル言語を勉強せなあかんねん、という軽蔑の意図があったように感じました。

そして、現地の人にとっては自分の国の言葉で話せないことはストレスになっていたはず。たとえ英語でコミュニケーションは取れたとしても、自分の国の言葉を使って話そうとしてくれない人に対してどこまで心を許すことができるでしょうか。

自国語をしっかりと話せるようになること、そして自国語を発展させるために『翻訳』と『土着化』が大切であることを本書では繰り返し説いていますが、
この主張が間違いでないことは私がインドネシアでたびたびその証拠を見つけたことからも証明されると思います。

そして、自国語こそが産業を支える、自国語のレベルこそが国家のレベルを決めるのだということを皆さんにも理解してもらいたいと、偉そうな上から目線の一言で締めたいと思います。

 

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